いびきがひどいあなたへ|原因4つと自宅でできる改善策|無呼吸のセルフチェック付き
「ただのいびき」と思っていたら、実は睡眠時無呼吸のサインだったというケースは少なくありません。
まずは自分の状態を客観的に知ることが、改善へのいちばん確実な一歩になります。アプリによる計測や寝具の見直しなど、今日からできる対策で症状が軽くなることも多いです。
本記事では、セルフチェックから原因、自宅でできる対策、受診の目安まで順番にわかりやすく整理します。いびきに悩んでいる方、パートナーのいびきが気になる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
まずは”簡単セルフチェック”|あなたのいびきは要注意?
いびきの改善を始める前に、まず自分のいびきの状態がどれくらい深刻なのかを知ることが大切です。
アプリで客観的に計測すると、単なる「いびき」なのか、無呼吸の疑いがあるのかが見えてきます。この章では、手軽に使える無料アプリやチェックすべきサインをまとめ、受診の判断材料として役立つ情報を整理します。
アプリ計測のメリット
アプリを使ったいびきの計測は、専門クリニックに行く前の”最初の一歩”として非常に有効です。
睡眠中の音を自動で記録できるため、自分がどの程度いびきをかいているのか、時間帯はいつかなどを客観的に把握できます。とくに、家族がいない場合や一人暮らしの人にとっては、確認手段として精度が高い方法になります。
さらにアプリは、無呼吸の疑いがある瞬間を検出したり、いびきの強さを数値化したりと、受診が必要かどうかを判断する材料を提供してくれます。こうした記録は、後で医師に相談する際にも役立ち、より正確な診断につながります。
おすすめアプリ(ランキング上位3つ)
無料アプリは多くありますが、使いやすさ・精度・利用者数の観点から、まずは以下の3つから試すのがおすすめです。
計測結果が分かりやすく、睡眠時無呼吸の兆候にも気づきやすいのが特徴です。
1位:いびきラボ(SnoreLab)|いびき研究アプリの定番
世界的に利用者が多く、初心者でも扱いやすい人気アプリです。
枕元に置くだけで、いびきの大きさ・長さ・タイミングを自動解析してくれます。
記録がグラフで確認しやすいので、改善の経過を追いやすく、無呼吸の可能性にも早めに気づけます。
2位:すりーぷまいすたー(Sleep Meister)|睡眠傾向+いびきの両方をチェック
睡眠の深さや寝返りの傾向を記録しながら、いびきも自動で録音してくれます。
アラーム機能が優秀で、浅い眠りのタイミングで起こしてくれるため、起床時のだるさが軽減しやすいのがポイント。
「いびきも睡眠の質もまとめて改善したい」人に向いています。
3位:ねごと・いびきレコーダー|まずは気軽に試したい人向け
操作がシンプルで、寝言や小さないびきも拾いやすいアプリです。
どの時間帯で音が増えるかが分かりやすく、睡眠環境の見直しのきっかけとしても役立ちます。
軽度のいびきや、最初のセルフチェックにおすすめです。
・いびき対策アプリの徹底比較(mybest)
無呼吸のサイン
睡眠時無呼吸の疑いがある場合、いびきだけでなく複数のサインが現れることがあります。
代表的なのは、睡眠中に呼吸が止まっているように見える、息を吸った瞬間に「グッ」と大きないびきをかく、または夜中に何度も目が覚めてしまうなどです。
さらに、朝起きたときに強いだるさが続いたり、日中の眠気がひどく仕事に集中できない状態も特徴的です。こうした症状は、単なる寝不足ではなく、睡眠の質が深刻に低下しているサインになります。
アプリで計測し、無呼吸疑いの数値が高い場合は、早めに専門外来で相談することが安心です。
いびきの主な原因は4つだけ
いびきの原因は複雑に見えて、実は大きく分けると4つに整理できます。
鼻の通りが悪くなること、口が開いたまま眠ってしまうこと、寝る姿勢が適していないこと、そして喉の筋力が低下して気道が狭くなることです。この4つを理解すると、自分のタイプに合わせた対策が選びやすくなります。
原因1:鼻づまり
鼻が詰まると、空気の通り道が狭くなり、口呼吸になりやすくなります。
アレルギーや乾燥、季節の変わり目などが原因で鼻づまりが続くと、いびきも悪化しやすいです。夜だけ症状が強くなる人も多く、寝室環境の調整や加湿が重要になります。
鼻づまりが慢性化している場合は、耳鼻科での診察も検討するとよいでしょう。
原因2:口呼吸
口が開いたまま眠ると、喉の粘膜が直接乾燥しやすくなり、いびきの音が大きくなります。
また、口呼吸は無呼吸のリスクも高めるため、マウステープなどを使った改善が有効です。口呼吸が癖になっている人は、日中から意識的に鼻呼吸を心がけることも効果的です。
原因3:寝姿勢
仰向けで寝ると舌が喉の奥に落ち込み、気道を狭めやすくなります。
横向き寝がいびきを軽減するケースが多く、枕との相性も影響します。仰向けで寝る癖がある人は、抱き枕を使うなどして横向き寝を習慣化する工夫が役立ちます。
原因4:喉の筋力低下
年齢とともに喉まわりの筋肉が衰えると、寝ている間に気道が狭くなりやすくなります。
とくに40代以降は影響が出やすく、軽めの運動や生活習慣の見直しが改善に役立ちます。喉の筋力を保つためには、日常的に声を出す、歌う、軽いストレッチをするなどの習慣が効果的です。
自宅でできる対策|まずはここから試してみてください
いびきの改善は、クリニックに行く前に自分で試せる方法が多くあります。
寝具の見直しや呼吸の習慣づけは、取り入れやすく効果が出やすい対策です。ここでは、今日から始められる4つの具体的な方法を紹介します。
対策1:いびき枕を使う
寝姿勢によるいびきに悩む人に向いています。
頭や首を適切な位置に保つことで気道が開き、空気の通りがスムーズになりやすくなります。高さ調整ができる枕や横向き寝しやすい枕が特に人気です。
いびき枕を選ぶときは、自分の体格や寝る姿勢に合ったものを選ぶことが重要です。購入前に口コミやレビューを確認し、返品・交換制度があるものを選ぶと安心です。
対策2:マウステープを使う
口呼吸が癖になっている人に有効です。
口を閉じて眠る習慣がつくと、喉の乾燥を防ぎ、気道が安定しやすくなります。テープは初めてでも使いやすく、数日で改善を感じる人もいます。
マウステープは薬局やオンラインで手軽に購入でき、価格も手頃です。最初は違和感があるかもしれませんが、慣れると自然に眠れるようになります。
対策3:加湿器で寝室の湿度を保つ
乾燥は喉の粘膜に負担をかけ、いびきを悪化させる原因になります。
寝室の湿度を40~60%に保つと、呼吸がしやすくなり、鼻づまりの軽減にも役立ちます。特に冬場や冷房・暖房を使う季節は、加湿器を活用することでいびきが改善しやすくなります。
加湿器がない場合は、濡れたタオルを干す、洗濯物を室内干しするなどの簡易的な方法でも一定の効果があります。
対策4:就寝前ルーティンを見直す
寝る前の過ごし方が睡眠の質に影響します。
飲酒を減らす、スマホ時間を短くする、照明を落とすなど、負担の少ない工夫で眠りが安定しやすくなります。アルコールは一時的に眠気を誘いますが、睡眠の質を下げ、いびきを悪化させる原因になります。
また、寝る1時間前にはスマホやパソコンの使用を控え、リラックスできる時間を作ることで、深い眠りにつきやすくなります。詳しい就寝前ルーティンについては、別記事でも紹介していますので、参考にしてみてください。
いびきを放置するとどうなる?
いびきを「仕方ない」と放置すると、日常生活の質や健康面のリスクにつながります。
ここでは、いびきを放置した場合に起こりうる3つの影響について解説します。
影響1:日中の眠気が続く
睡眠の質が低下すると、朝のだるさや集中力の低下が続きます。
仕事のパフォーマンスが落ち、運転中の危険も増えます。会議中に眠気に襲われる、ミスが増える、記憶力が落ちるなど、生活全般に支障をきたすケースも少なくありません。
日中の眠気が続く場合は、単なる疲れではなく、睡眠時無呼吸の可能性を疑う必要があります。
影響2:高血圧リスクが上がる
呼吸が弱くなる時間が続くと、血圧や心拍に負荷がかかり、高血圧のリスクが上がります。
40代以降は特に注意が必要です。睡眠時無呼吸は、心筋梗塞や脳卒中といった重大な疾患のリスクも高めるため、早めの対策が重要です。
健康診断で血圧が高めと言われた人、家族に高血圧の人がいる人は、いびきの状態を確認しておくと安心です。
影響3:パートナーの睡眠の質も低下する
周囲の人が眠れないほどのいびきは、生活の質を落とし、関係にも影響します。
家族から指摘されたら受診のサインです。パートナーが別室で寝るようになった、睡眠不足を訴えるようになったという場合は、早めに対策を始めることをおすすめします。
いびきは本人だけの問題ではなく、家族全体の健康にも関わる問題です。
改善しなければ”専門クリニック”へ
自宅での対策を試してもいびきが改善しない場合、専門クリニックでの診察を検討しましょう。
ここでは、受診の流れや検査内容、治療方法について詳しく解説します。
受診の流れ
睡眠外来や呼吸器科での受診は、問診→簡易検査→診察→治療の流れが一般的です。
自宅でできる検査が主流で、初めてでも負担が少ないのが特徴です。問診では、いびきの頻度や日中の眠気、生活習慣などを詳しく聞かれます。
事前にアプリで記録したデータがあれば、診察がスムーズに進みます。
睡眠ポリグラフ検査とは
睡眠ポリグラフ検査は、呼吸・酸素濃度・いびきの有無を詳しく測定する検査です。
簡易タイプでも無呼吸の程度を十分に把握できます。自宅に検査機器を借りて、普段通りに眠るだけで検査が完了するため、入院の必要はありません。
検査結果をもとに、医師が適切な治療方針を提案してくれます。
CPAPなどの治療方法
重度の睡眠時無呼吸と診断された場合は、CPAP(シーパップ)という機器を使った治療を行います。
CPAPは、寝ている間に鼻にマスクを装着し、空気を送り込むことで気道を確保する治療法です。中等度の場合は、マウスピースを使った治療が選択されることもあります。
治療を始めると、多くの人が睡眠の質の改善を実感し、日中の眠気や疲労感が軽減されます。
予約方法・オンライン診療の可否
オンライン診療で初診が受けられるクリニックも増えており、忙しい人でも相談しやすい環境が整っています。
自宅に検査キットを郵送してくれるクリニックもあるため、通院が難しい人でも受診しやすくなっています。まずは公式サイトやオンライン予約システムで、診療内容や料金を確認してみましょう。
全国のいびき外来・睡眠医療センターの探し方
いびきや睡眠時無呼吸の治療を受けるには、専門性の高いクリニックを選ぶことが大切です。
ここでは、睡眠外来を選ぶ基準や地域別の代表的なクリニック、オンライン診療対応のクリニックについて紹介します。
睡眠外来を選ぶ基準
睡眠外来を選ぶ際は、睡眠医療に詳しい医師がいるか、検査機器が整っているかを確認します。
公式サイトで検査内容や治療方針をチェックするのがポイントです。また、通いやすさや診療時間、予約の取りやすさも重要な判断材料になります。
口コミやレビューを参考にしつつ、自分に合ったクリニックを選びましょう。
地域別の代表的な睡眠外来
主要都市には専門性の高いクリニックが多く、簡易検査の貸し出しから治療まで一通り受けられます。
睡眠専門のクリニックや総合病院の睡眠外来が最近は増えてきました。地域検索は「睡眠外来」「無呼吸外来」「いびき外来」といったキーワードで検索すると見つけやすいです。
かかりつけ医に紹介状を書いてもらうと、スムーズに受診できる場合もあります。
オンライン診療があるクリニック
自宅に検査キットを郵送してくれるクリニックも増えており、通院が難しい人でも受診しやすくなっています。
オンライン診療なら、初診から治療方針の相談まで自宅で完結できるため、仕事や育児で忙しい人にもおすすめです。ただし、重度の場合は対面での診察が必要になることもあるため、事前に確認しておきましょう。
まとめ|いびきは改善できる症状です
いびきは放置しがちな不調ですが、改善の余地が大きい症状です。
本記事でお伝えした内容を振り返ります。
いびきの原因は4つに絞られる
鼻づまり、口呼吸、寝姿勢、喉の筋力低下の4つが主な原因です。自分がどのタイプに当てはまるかを知ることが、改善への第一歩になります。
アプリで計測すると無呼吸の疑いが可視化しやすい
無料アプリを使えば、いびきの頻度や無呼吸の疑いを客観的に把握できます。まずは1週間記録してみましょう。
枕・マウステープ・加湿などの自宅対策が効果的
クリニックに行く前に、自宅でできる対策を試してみることで、症状が軽減するケースも多いです。
放置すると生活の質や健康リスクが上がる
日中の眠気、高血圧リスク、パートナーの睡眠の質低下など、放置すると生活全般に影響が出ます。
改善しない場合は専門外来で検査すると安心
自宅での対策で改善しない場合は、専門クリニックで検査を受けることで、適切な治療が受けられます。
最後に
いびきは”放置しがちな不調”ですが、改善の余地が大きい症状です。
まずはセルフチェックから始め、必要に応じて対策や受診につなげてください。自分に合った方法を選ぶことで、睡眠の質は大きく変わります。
いびきが改善されると、朝の目覚めが良くなり、日中のパフォーマンスも向上します。あなたとあなたの大切な人の健康のために、今日から一歩を踏み出してみてくださいね。


