冬は要注意! ヒートショックを防ぐための対策
「寒い冬に、お風呂に入ったら急に頭がクラクラした…」
「朝起きた時に、体が冷えてなかなか布団から出られない…」
こんな経験はありますか?
冬は、寒暖差が激しく、体調を崩しやすい季節です。
特に注意が必要なのが、ヒートショックです。先日、ショッキングなニュースがあり、まだまだ少し先の話だと考えていた私は同世代の芸能人の方がヒートショックという不慮の事故でなくなるのは非常にショックでした。
ヒートショック関連死
交通事故の3倍
東京都健康長寿医療センター研究所が過去に行った調査では、1年間に全国で約1万7千人もの人がヒートショックに関連した「入浴中急死」に至ったと推計されている。この数は、交通事故による死亡者数の3倍をはるかに超える数で、うち高齢者は1万4千人、全体の約8割を占めると言われている。
ヒートショックが起こりやすい時期として、一般的に11月~2月にかけての冬場とされています。 外気が寒く、室内は暖房等で暖かくなり、また寒さで入浴も長時間になる傾向があるため、温度変化も急激になりやすいからです。 ヒートショックが起こりやすい場所に関しても、基本的には温度差が激しくなる場所とされています。
65才以上の高齢者
やはり、65歳以上になるとヒートショックを起こすリスクが高まります。
家族に65歳以上の方がいる場合は、特に注意深く見守ってあげることをおすすめします。
65歳以上だからといって一律にくくることはできませんが、ヒートショックによる入浴関連死は65歳以上が80%以上を占めているのも事実です。
今回は、ヒートショックの危険性と、効果的な予防対策をまとめてみました。
- ヒートショックってどんなもの?
ヒートショックとは、温かい室内から寒い場所へ急に出たり、逆に寒い場所から温かい場所へ急に入ったりしたときに、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や脳に負担がかかってしまう状態です。
最悪の場合、心臓発作や脳卒中を引き起こすことがあります。
- ヒートショックが起こるメカニズム
ヒートショックは、主に以下の2つの要因が組み合わさり発生します。
- 血管の収縮と拡張: 暖かい場所から寒い場所へ移動すると、体が冷えないように血管が収縮します。逆に、寒い場所から暖かい場所へ移動すると、体が温まるために血管が拡張します。この血管の急激な収縮と拡張によって、血圧が大きく変動します。
- 心臓への負担: 血圧の急激な変動は、心臓に大きな負担をかけます。心臓は、血圧の変化に対応するために、より強く拍動する必要があり、これが心臓への負担となります。
- ヒートショックが起こりやすい場所
ヒートショックは、以下のような場所で起こりやすいです。
特に冬場は、浴室と脱衣所の温度差が大きくなりやすく、ヒートショックのリスクが高まります。
トイレも、浴室と同様に、室温が低くなりがちな場所です。
外気温と室温の差が大きいため、ヒートショックが起こりやすい場所です。
- ヒートショックによる症状
ヒートショックによる症状は、以下のとおりです。
血圧が急激に低下すると、脳への血流が不足し、めまいが起こります。
重症の場合、意識不明になることもあります。
心臓への負担が大きくなると、心臓発作を起こす可能性があります。
脳への血流が不足すると、脳卒中を起こす可能性があります。
- ヒートショックのリスクを高める要因は、以下のとおりです。
高齢者は、血管の弾力性が低下し、体温調節機能も衰えているため、ヒートショックを起こしやすいです。
これらの持病がある人は、心臓や血管に負担がかかりやすく、ヒートショックを起こしやすいです。
体温が低い状態では、血管が収縮しやすく、血圧が上昇しやすいです。
脱水状態では、血液の量が減少し、血圧が低下しやすくなります。
飲酒すると、血管が拡張し、血圧が低下しやすくなります。
疲労している状態では、体の抵抗力が低下し、ヒートショックを起こしやすいです。
- ヒートショックを防ぐための対策
ヒートショックを防ぐには、以下の対策が効果的です。
- 室温を適切に保ち、寒暖差をなくしましょう。
- 暖房器具を活用し、室温を18℃~20℃に保つのが理想です。
- 浴室の温度は、41℃~42℃に設定し、湯温と室温の差を少なくしましょう。
- 長湯は避けましょう。長湯は、体への負担が大きくなります。
- 浴室の換気をこまめに行い、湯気による温度上昇を防ぎましょう。
- 入浴中に体調が悪くなったら、すぐに湯船から上がりましょう。意識が朦朧としたり、息苦しさを感じたりする場合は、すぐに湯船から上がり、休息しましょう。その際お急に立ち上がったりなどせず、ゆっくりと浴室からでましょう。
- 入浴前に、手足を温めてから浴室へ入りましょう。
- 水を一杯飲いましょう。
- 脱衣所も暖房器具で暖かくしておきましょう。脱衣所の温度も、浴室とあまり変わらないように暖めておきましょう。
- 暖かいタオルや、パジャマを準備しておくと、より快適です。
- 外出時は、重ね着をして、寒さ対策をしましょう。
- 室内では、体温調節しやすい服装を選びましょう。
- こまめな水分補給は、血行を促進し、ヒートショック予防に効果的です。
まとめ
冬は、寒暖差が激しく、ヒートショックのリスクが高まります。
適切な対策を行い、安全で快適な冬を過ごしましょう。
万が一、身体に異変を感じたら、すぐに医療機関を受診してください。
浴室や脱衣所の温度管理、入浴前の準備、湯温の調整など、適切な対策を講じることで、ヒートショックを予防することができます。