離婚を考える瞬間は、誰にとっても心が揺れるものです。「本当にこれでいいのかな?」と迷いながらも、日常の中で少しずつ現実的な準備を進めていくことが大切です。
迷いがあるうちは、まだ結論を出さなくて大丈夫です。ただ、いつか迷いなく「別れよう」と決めたときに慌てないよう、「8つ」の準備は早めに始めておきましょう。たとえ離婚しなかったとしても、きっと無駄にはなりません。
なお、2026年4月1日から離婚に関する法律(民法)が大きく変わりました。共同親権の導入、養育費や財産分与のルール変更など、離婚前に知っておきたいポイントもあわせて紹介します。
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1. 生活できるかどうかをシミュレーションする

離婚を考えるとき、まず確認したいのが「離婚後も生活できるかどうか」です。感情よりも先に、数字で現実を見ておきましょう。
家賃・光熱費・食費・教育費など、これまで夫婦で分担していた支出を一人でまかなえるかを整理します。
子どもがいる場合は、ひとり親向けの支援も収入の柱になります。
- 児童手当:国の制度で全国共通です。離婚後は、子どもと暮らす親が新たに申請する必要があります。
- 児童扶養手当:ひとり親家庭向けの手当です。所得に応じて支給額が決まります。
- ひとり親家庭医療費助成:内容は市区町村によって異なります。
住む市区町村によって医療費助成や独自の支援が違うため、引っ越し先の候補が決まったら早めに確認しておきましょう。
💡固定費の見直しで「生きるコスト」を下げる
生活費の中でも、見直しやすいのが固定費(毎月変わらない支出)です。
少しの工夫で、年間数万円の節約になることもあります。
💡保険の見直し
離婚後は家族構成や収入が変わるため、
「今の自分に合っていない保険」に入り続けているケースも多いです。
ムダな保障を減らして、必要な部分だけ残しましょう。
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💡家計の見直し
保険だけでなく、家全体の収支バランスを見直すのもおすすめ。
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💬「毎月赤字が続いてる…」「養育費を受け取っていても、生活がカツカツ」
そんな人こそ、早めの家計相談で現実を見直すチャンスです。
💡電気・通信費の見直し
引っ越しや家の契約を見直すタイミングで、電気代やインターネット料金も見直しておきましょう。
どちらも月々の固定費を抑えるチャンスです。
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2. 住まいをどうするか考える
次に考えたいのは住まいのことです。今の家に住み続けるのか、引っ越すのか。賃貸なら契約名義の変更、持ち家なら財産分与や売却の検討が必要になります。
🏠持ち家の場合
持ち家がある場合は、まず「名義」「ローン残高」「相場価格」を確認しましょう。売却するのか、どちらかが住み続けるのかで、手続きやお金の流れが変わります。
- 住宅ローンが残っている場合は、金融機関に相談する
- 名義変更や財産分与の話し合いを早めに進める
- 売却予定がある場合は相場を把握しておく
いきなり売る決断をしなくても、「今どのくらいの価値があるか」を知っておくだけで冷静に判断しやすくなります。
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離婚や住み替えを検討している方は、ぜひ一度試してみてください。
3. 子どもの生活を守る準備
子どもがいる場合は、生活環境の変化に備えることが大切です。特に、これから仕事を探す親が子どもと暮らす場合は、通勤・保育・お迎えのルートを想定して住む場所を決めるとスムーズです。
引っ越しや転園・転校の可能性があるなら、早めにリサーチしましょう。保育園・学童・病児保育などの支援体制は市区町村によって異なります。
💡働く親の味方:「病児保育」や「ファミリー・サポート・センター(ファミサポ)」をチェックしておくと安心です。
4. 収入源を考える
離婚後は、生活費を自分でまかなう必要があります。焦らず、まずは「どんな働き方をしたいか」を考えるところから始めましょう。
専業主婦(主夫)の方でも、在宅ワークやパートなどから少しずつスタートできます。ただ、子どもがいると学校に通うのは難しいもの。そんなときは、オンラインで資格を取るのがおすすめです。
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ブランクがある方は、ハローワークや自治体の就労支援(ひとり親向けの職業訓練や給付金など)も併用すると安心です。制度を上手に使って、無理のない形で新しい一歩を踏み出しましょう。
5. 養育費・財産分与などお金のことを整理する
離婚の中でもトラブルになりやすいのが「お金」です。口約束ではなく、必ず書面に残しましょう。感情的になりやすい場面だからこそ、冷静に準備を進めておくことが大切です。
決めておきたい主な項目は次のとおりです。
- 養育費の金額と支払い期間
- 親子交流(これまでの「面会交流」)の頻度や方法
- 財産分与の内容と割合
- 年金分割の割合
養育費の目安は、裁判所が公開している「養育費算定表」で確認できます。浮気・暴力などの証拠は、写真・診断書・レシートなどで保管しておきましょう。
2026年4月から変わった養育費のルール
2026年4月1日の民法改正で、養育費のルールが新しくなりました。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 法定養育費 | 取り決めがなくても、子1人につき月額2万円を請求できる(2026年4月1日以降に離婚した場合が対象) |
| 先取特権 | 子1人につき月額8万円までの養育費は、公正証書がなくても、父母で作った書面をもとに差押えを申し立てられる |
ただし、法定養育費はあくまで「取り決めるまでの暫定的なもの」です。月2万円で十分とは限らないので、算定表を参考に、子どもに必要な金額をきちんと取り決めましょう。月8万円を超える部分も含めて確実にしたい場合や、話し合いに不安がある場合は、公正証書を作っておくとより安心です。
財産分与・年金分割の期限は「5年」に
2026年4月1日以降に離婚した場合、財産分与と年金分割の請求期限は、離婚から2年→5年に延びました。それ以前に離婚した人は、これまでどおり2年なので注意してください。
年金分割は、婚姻期間中の厚生年金の記録を分ける制度です。専業主婦(主夫)だった期間がある人は、将来の年金額に大きく関わるので、忘れずに手続きしましょう。手続きの窓口は年金事務所です。
🍀 養育費の未払いが不安な方へ|養育費保証PLUSで安心を
「約束しても支払いが続かなかったらどうしよう…」という不安をサポートしてくれるのが「養育費保証PLUS」です。養育費が支払われなかったとき、保証会社が立て替えてくれるしくみです。
- 離婚協議中でも申し込み可能(おおよその金額がわかれば審査OK)
- 養育費の支払いを安定させ、子どもの教育費を守れる
- 公的支援や弁護士への相談と併用できる
保証の範囲や期間は、公式サイトで最新の条件を確認してください。自治体によっては保証料の補助制度もあるので、お住まいの市区町村にも問い合わせてみましょう。
お金の整理は、これからの生活を立て直すための大切なステップです。焦らず、一つずつ「安心できる形」にしていきましょう。
6. 子どもの親権・戸籍・名字のことを確認する
離婚後は、子どもの「親権」「戸籍」「名字(氏)」についても決めておく必要があります。順番に整理しましょう。
親権:単独親権か共同親権かを選ぶ
2026年4月1日から、離婚後も父母の両方が親権を持つ「共同親権」を選べるようになりました。離婚届を出すときに、未成年の子の親権を「父母の一方(単独親権)」にするか「父母の双方(共同親権)」にするかを選びます。離婚届の様式も新しくなっています。
話し合いで決まらない場合は家庭裁判所が決めます。DVや虐待のおそれがある場合は、単独親権となります。詳しくは別記事で解説しています。
▶ 関連記事:共同親権が始まって何が変わった?離婚後の生活への影響
自分の名字と戸籍:離婚届で選ぶのは「戸籍」
結婚で名字を変えた人は、離婚すると原則として旧姓に戻ります。離婚届で選ぶのは名字ではなく、「もとの戸籍に戻る」か「新しい戸籍をつくる」かです。
結婚中の名字をそのまま使い続けたい場合は、離婚の日から3か月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を役所に出します。
子どもの名字と戸籍:自動的には移らない
親が戸籍を出ても、子どもは元の戸籍(多くは相手側の戸籍)に残ったままです。子どもを自分の戸籍に入れるには、次の2ステップが必要です。
- 家庭裁判所で「子の氏の変更許可」を申し立てる
- 許可が出たら、役所に「入籍届」を出す
注意したいのは、親が結婚中の名字を使い続ける場合でも、この手続きが必要なことです。呼び方は同じでも、法律上は「別の氏」として扱われるためです。
私は旧姓に戻らず、結婚中の名字をそのまま使い続けることにしました。そのうえで子どもの氏の変更許可をもらい、子どもと一緒に新しい戸籍をつくりました。
▶ くわしくは関連記事で解説しています:離婚後の戸籍と手続き
💡 注意しておきたいこと
子どもがいる場合、ある日突然名字が変わることは、学校や友人関係にも影響することがあります。
子どもの気持ちや環境の変化にも配慮しながら、できるだけ安心して過ごせる選択を考えたいですね。
7. 必要な書類と手続きを確認する
離婚届そのものは意外とシンプルですが、提出したあとに名義・住所・保険などの手続きが続きます。焦らず、ひとつずつ進めましょう。
離婚届の提出に必要なもの(協議離婚の場合)
- 離婚届(夫婦それぞれの署名と、18歳以上の証人2人の署名が必要。押印は任意)
- 窓口に行く人の本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
2024年3月1日から、原則として戸籍謄本の添付は不要になりました。印鑑証明書もいりません。自治体によって案内が異なることもあるので、事前に役所の窓口やホームページで確認しておくと安心です。
離婚後に必要な主な手続き
- 健康保険:配偶者の扶養に入っていた人は、国民健康保険か勤務先の健康保険に加入し直す
- 年金:配偶者の扶養(第3号被保険者)だった人は、第1号被保険者への切り替えが必要
- 住所・名字の変更:マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、銀行口座、クレジットカード
- 子ども関係:児童手当・児童扶養手当の申請、医療証の手続き、学校・保育園への届出
- 住民票:引っ越しをする場合は転居・転出の手続き
💡 ワンポイント
まとめてやろうとすると大変なので、
「役所関係 → 銀行関係 → 学校関係」など、カテゴリーごとに順番を決めて処理するとスムーズです。
手続きのチェックリストを作っておくと、抜け漏れ防止にもなります。
8. 心を整え、信頼できる相談先を持つ
離婚を考えはじめると、心も頭もぐちゃぐちゃになってしまうことがあります。感情の波にのまれて判断を急ぐよりも、まずは自分の心を落ち着かせる時間を持つことが大切です。
信頼できる人に話を聞いてもらう、カウンセリングを受ける、静かに本を読む――そうした小さな時間が、次に進む力につながります。
📚 私が助けられた2冊
『鈍感力』(渡辺淳一/集英社文庫)
『わすれられないおくりもの』(スーザン・バーレイ/評論社)
大切な友を亡くした動物たちが、悲しみの中で少しずつ「思い出の温かさ」に気づいていく――
絵本だけれど、大人の心にも深く響く一冊です。
まとめ
悩みは一人で抱えこまないことも大切です。自治体のひとり親相談窓口や、法テラスなどの公的支援を利用すれば、専門家の意見を聞きながら冷静に整理できます。こども家庭庁の「養育費・親子交流相談支援センター」でも相談を受け付けています。
焦らず、自分の心と向き合いながら、少しずつ前に進んでいきましょう。
自分から言い出した離婚であっても、いざ進めてみると、
決め事や手続き、これまで築いてきたものの多さに驚き、心身ともに疲れてしまうことがあります。
離婚は「終わり」ではなく、たくさんの整理と選択の連続です。
土壇場になって「条件なんてどうでもいいから、早く別れたい」と投げ出してしまわないように、気持ちに余裕があるうちに一つひとつ、「自分はどうしたいか」を整理しておくのをお勧めします。
今はしんどくて笑う余裕なんてないかもしれません。
それでも、未来が見えなくても、きっとまた明るい日々がやってきます。
まだまだ人生は続きます。少しずつでいい、前を向いて歩いていきましょう。

※本記事の制度情報は2026年10月時点のものです。手続きの詳細は、お住まいの市区町村や専門家にご確認ください。
参考(執筆時の確認先)
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