低気圧が近づいてきたり、梅雨の季節など雨の日の前後に気分が落ち込んだり。時には、身体がだるかったり頭痛や吐き気を感じる人も。これらの症状をまとめて「気象病(天気病)」と言われています。なんとなくお天気のせいか、それとも更年期のせいかわからないけれど体調が悪かったのを気に留めていなかった方。ひょっとすると、それは気象病かもしれません。「しょうがない」で諦めないで。
気象病とは?
どのような症状がでやすいか
もともとあった症状が悪化することが多く「天気が悪いと古傷が痛む」など天候の変化などにより体調異常を起こす症状(特に低気圧による体調変化による症状)が見られます。
- 頭痛・腰痛
- 血圧変動(多くは低下)・・心拍低下
- 自律神症失調(乱れ)・・・イライラ・怠さ・意欲低下
- 精神不安定・・・・・・・・軽いうつ状態
- 関節リウマチ(痛みの増悪)や気管支喘息(気道のむくみによる呼吸困難)の人は敏感に反応
- めまい
- 疲労感
- 吐き気
- 首や肩の凝り
- 低血圧
- 痛み(古傷が痛む)
- 手足のしびれ
- 狭心症の症状の悪化
〔こんな症状があれば要注意〕一般的には女性のほうが多いと言われています
- 晴れた日と雨の日では体調が異なる
- 雨が降りそうなのがわかる
- 耳鳴りやめまいが起こりやすい
- 乗り物酔いをしやすい
- 季節の変わり目に体調を崩しやすい
- 冷え症だ
- ストレスが多い
- 天候によって気分の浮き沈みがある
- 大きなケガをしたことがある
- 肩や首が凝る
- 姿勢が悪くなっている
- ストレッチや適度な運動をあまりしていない
- よく歯を食いしばったり、歯ぎしりしたりする
- 更年期障害のような症状がある
いかがでしょうか?一概には言えませんが、一般的にはあてはまる項目が多ければ多いほど可能性としては高いとされています。
何科を受診する?
では、気象病かもしれない、と思ったらいったい何科を受診すればいいのでしょうか?
最近では大きな病院では、「気象病外来」や「天気痛外来」などあるところもあるので、お住まいの地域で受診できそうか調べてみるのをお勧めします。近くにない場合は「神経内科」「漢方内科」「頭痛外来」を受診するとよいと言われています。
受診の際は自分の不調や痛みに関する記録を持参すると、症状を具体的に明確に伝えやすいです。「毎日起こる症状ではないし、この程度なら大丈夫」と自己判断は危険なので不快な症状があるのなら一度思いきって受診してみましょう。
では、どのように予防や対策すればいいのか?
気象病を根本から治すのは難しいと言われていますが、頭痛やめまいなど不快な症状は、自律神経を整えたり、血行を改善したりすると緩和できる可能性もあります。それは予防でも同様です。ここでは予防や対策として効果が期待できる方法をまとめました。
水分のとりすぎに注意
体の中の水分量を調節すると、気象病の改善効果があるといわれています。水分を摂りすぎると、その結果、平衡感覚を司る「内耳(ないじ)」がむくんで血流が悪化し、めまいや頭痛を起こすこともあるからです。
気温が上がる時期には水分補給が欠かせません。しかし必要以上に水分を摂りすぎると気象病のリスクが高まります。また短時間に大量の水を飲むと、水中毒を起こし、それが頭痛や嘔吐などを引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
喉が渇いたときに一気に水分補給するのではなく、数回にわけてつねに少量の水分を摂るようにすると、気象病の予防につながるでしょう。
耳のマッサージ
気象病の予防方法として、耳のマッサージも効果があるといわれています。前述のとおり内耳 の働きが低下すると気象病が起こる可能性もあるため、耳のまわりをほぐして血行を改善すれば気象病の予防につながると考えられているのです。
マッサージ方法は、両手で左右の耳をつまんで上下や左右に引っ張ったり、グルグル回したり耳の後ろにホットタオルや温かいペットボトルを当てたり、日頃から耳を冷やさないようにすることもよいでしょう。耳のマッサージも効果的とされます。両耳をつまんで上下、横に引っ張ったり後ろに回したり、手のひらで両耳全体を覆い後ろに向かって回すというものです。耳の周りの血流のほかリンパ液の流れをよくする効果があるとされます。するだけ。1分程度でできるマッサージなので不調を感じたら試してみましょう。
食事に注意
気象病の予防のひとつは、体に余計な水分を溜めないこと。そのため漢方の世界で水分が溜まりやすいとされている「油の多い食べ物」を避けると予防効果が期待できます。
なかでも揚げ物や油分の多いナッツ類、マーガリンなど油が多い食べ物を控えると気象病予防の効果が高いとされているのです。また水分の巡りを助ける食材もあるので、こちらを積極的に摂取すると体の中に水分が溜まるのを防ぎ、結果気象病の予防につながるでしょう。
食べるとよいとされるもの
- 小豆や黒豆などの豆類
- ワカメや昆布などの海藻類
- 穀物のハトムギ
- きゅうりやゴーヤなどの瓜類
運動を習慣化
普段から運動すると、体内の水分を適量で維持しやすくなり、気象病の予防効果が期待できます。運動を習慣化すれば、こまめな水分補給をしても汗をかいて排出するサイクルが確立され、余分な水分を溜め込まずに済むからです。
運動の種類は、トレーニングマシーンを使うような激しい運動ではなく、ストレッチなどのじわっと汗をかくような軽めの運動でも問題ありません。たとえばストレッチや速足で歩くだけでも十分効果があるとされています。
コーヒーを摂取
コーヒーに含まれるカフェインには、血管を収縮させる作用があるといわれています。低気圧で脳の血管が拡張されると、近くの神経に作用して片頭痛が起こると考えらえているため、気象病で起こる頭痛がカフェインの摂取で緩和する可能性もあるのです。
またコーヒーには利尿作用があり、体に溜まった余分な水分を体外への排出を助けます。この点においても気象病の対策や予防に役立ちます。
規則正しい生活が効果的
気象病への対処としては、自律神経のバランスを整えることが最も大切となります。
- 早寝早起き
- 朝食を取る
- 適度な運動
- 十分な睡眠
- 入浴
など規則正しい生活を送ることです。
まとめ
気象病には様々な症状が含まれます。
もちろん、気象の変化だけがそうした症状の原因になっているわけではありません。
しかし、気象病は医学的にも認められた概念であり、「しょうがない」で片づけないで少しでも改善し、QOLが上がる生活をしたいですね。