「離婚は子どもがかわいそう」って本当?|笑って生きる母親が子どもに残せるもの

こころと時間

「離婚は子どもがかわいそう」って本当?|笑って生きる母親が子どもに残せるもの

私は離婚するまでに、何回も「子どもがかわいそう」という言葉に迷わされてきました。世間の声も、家族の言葉も、どれも正しそうに聞こえました。けれど、我慢を重ねるたびに、笑わなくなっていく自分がいたんです。

結局、私は離婚しました。そして今思うのは――もっと早くしていれば、子どもも私も、もっと穏やかに暮らせていたかもしれないということ。
当時の私は、毎晩子どもが寝たあとに一人で考え込んでいました。「このままでいいのか」「子どもに申し訳ない」――そんな思いが頭の中をぐるぐると。でも同時に、「もう限界かもしれない」とも感じていたんです。
あなたがもし今、「離婚したら子どもがかわいそう」と悩んでいるなら、その罪悪感が本当に正しいのか、一度この記事を読んで考えてみてください。


子どもが”かわいそう”と言われて苦しくなる3つの理由

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 社会や親族の声が「母親の罪悪感」を増幅させる
  • “子どものために我慢する”が正しいと思い込んでいる
  • “幸せな家庭=両親が揃っている”という古い価値観に縛られている

「子どもがかわいそう」という言葉は、実は母親を最も傷つける一言です。
世間や家族、友人など周囲の人の”正義”として放たれるその言葉は、母親の罪悪感を刺激し、「自分が悪いのでは」と思わせます。私も何度この言葉に傷ついたかわかりません。
義母からも、実母からも、友人からも――みんな悪気はないんです。でも、その言葉が胸に刺さるたびに、「私は母親失格なのかもしれない」と思ってしまいました。
この章では、なぜこの言葉がこれほど苦しいのか――その背景にある3つの理由を見ていきましょう。

社会や親族の声が「母親の罪悪感」を増幅させる

離婚を考える母親にとって、いちばん心をえぐるのは「子どもがかわいそう」という周囲の声です。悪気のない言葉ほど深く刺さり、「私は母親失格なのかもしれない」と自分を責めてしまいます。
とくに親族や職場、ママ友など、立場のある人からの意見は影響力が大きいもの。「我慢が美徳」「子どものために家庭を守るのが母親の務め」といった価値観が、知らず知らずのうちに”正解”として刷り込まれていきます。
私の場合、義母から「孫のためにもう少し頑張れないの?」と言われたとき、言葉が出ませんでした。「頑張ってないわけじゃない」「これ以上どう頑張ればいいの?」――そう叫びたかったけれど、何も言えなかった。
実母からも「もう少し考えたら?」と言われました。家族はみんな、私を心配してくれていたんだと思います。でも、その心配が、かえって私を追い詰めていきました。
けれど、他人の言葉はあなたと子どもの人生を背負ってはくれません。本当の意味での「子どものため」は、世間の声ではなく、あなたが心から笑っていられる選択の中にあるのです。

“子どものために我慢する”が正しいと思い込んでいる

多くの母親は、「子どものためなら自分を犠牲にして当然」と思い込んでいます。その考えは愛情から生まれたものですが、長く続けば、心がすり減ってしまいます。
「子どものため」と言いながらも、実際は”子どもを傷つけたくない自分”を守るために、我慢を正当化していることもあります。「我慢=愛情」ではなく、「我慢=恐れ」になっている場合も多いのです。

「私は別れたかったのに、あなたのために我慢したんだ。」
とか
「あなたのためを思って別れなかったのに。」
とか。
それを子供が一度でも聞いてしまったなら。
そんな本心、子供が気づいてしまったら。
「自分がいるせいでこんなに大変なんだ」
「自分がいるからお母さん(お父さん)は我慢しているんだ」
と、言われているように子供は感じてしまいます。

大切な我が子が、自分のせいでお母さん(お父さん)が我慢していると思っているとしたら、
それでもその家庭は守らないといけないでしょうか?

私も「離婚したら子どもが傷つく」「父親がいないとかわいそう」――そう思って、毎日を耐えていました。でも本当は、「離婚したら私が責められる」「私が悪い母親だと思われる」という恐れだったのかもしれません。
笑顔のない家庭で、母親がつらそうにしている姿を見れば、子どもは「自分のせいでお母さんが苦しい」と感じてしまいます。それこそが、子どもにとって本当の”かわいそう”です。
子どもを思うなら、まずは母親自身が”自分を思いやる”勇気を持つことが大切なんです。

“幸せな家庭=両親が揃っている”という古い価値観に縛られている

「両親がそろっていないと子どもがかわいそう」という考えは、今も根強く残っています。けれど、現代では家庭の形は一つではありません。
ひとり親家庭でも、祖父母との暮らしでも、子どもが安心して育つ環境はつくれます。大切なのは、家族の人数ではなく家の中の”空気”です。
たとえ両親がいても、怒鳴り声や会話のない家庭では、子どもは常に不安を抱えて過ごします。
私は、周りから見られる「形」より自分の家庭には「安心」を選びたかった。古い価値観に縛られるよりも、笑顔でいられる関係を選ぶことのほうが、ずっと子どもの心を守る結果になると信じています。


“かわいそう”の本当の意味を考え直す3つの視点

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 子どもが本当に望むのは「笑っている母親」
  • 不機嫌で我慢している姿は、子どもに不安を与える
  • 家庭の形よりも「安心して帰れる空気」が大切

「子どもがかわいそう」という言葉は、視点を変えるとまったく意味が変わります。
多くの母親は”かわいそう”を「離婚=不幸」と結びつけがちですが、実際に子どもが感じている”かわいそう”は別のところにあるのかもしれません。
この章では、子どもの立場から見た”本当のかわいそう”を3つの視点から考え直します。

子どもが本当に望むのは「笑っている母親」

離婚しても、経済的に苦しくても、お母さんが笑っていることが子どもにとっての最大の安心です。
「家族の形」よりも、「お母さんが楽しそうでいる」ほうが、子どもにとっては何よりの幸せなんです。
我慢の先にある笑顔ではなく、日常の中で自然にこぼれる笑顔。その姿こそ、子どもが本当に望んでいる”お母さんの姿”です。

離婚を経験した我が子を不憫に思うあまり、
片親にしてかわいそうだと、
「ごめんね、ごめんね」と接していれば、
子供自身が自分は「かわいそうな子」「不幸な子」なんだと自分のことを思ってしまいます。

だからこそ、「ごめんね」ではなく「ありがとう」を伝えるほうが、ずっと子どもの心を強く育てます。
「一緒に頑張ってくれてありがとう」「お母さんも幸せだよ」――そう伝えるだけで、子どもは安心します。

我が家は離婚後、他愛もない話を普通にたくさんするようになりました。-何気ない会話が、以前はできなかったんです。
家の中がいつもピリピリしていて、会話よりも沈黙の方が多かった。でも今は、笑い声が絶えない家になりました。それが何よりの変化だと思っています。

不機嫌で我慢している姿は、子どもに不安を与える

母親が日常的に不機嫌だったり、疲れきった表情をしていたりすると、子どもは理由をうまく理解できなくても、その空気を敏感に感じ取ります。
「自分のせいでお母さんが怒っているのかな」と自分を責めてしまう子どもも少なくありません。母親の感情が安定していない家庭では、子どもも心を休めにくくなります。
どんなにおもちゃや服を与えても、安心できる表情がなければ意味がありません。大切なのは、完璧な母親になることではなく、素直に疲れたと言えること、時には助けを求められること
その等身大の姿こそ、子どもにとって信頼できる”お母さん”なんです。
私は離婚前、いつもイライラしていました。夫婦仲が悪いことを子どもに悟られないようにと気を張っていたつもりでしたが、子どもはちゃんと気づいていました。
「お母さん、怒ってる?」と聞かれるたびに、「大丈夫だよ」と答えていましたが、全然大丈夫じゃなかった。その嘘が、子どもを不安にさせていたんだと思います。

家庭の形よりも「安心して帰れる空気」が大切

子どもが本当に求めているのは、「帰ったらホッとできる場所」です。両親がそろっているかどうかよりも、家の中に安心できる空気があるかどうかが重要です。
たとえシングルマザーでも、毎日の会話や笑い声がある家には温かさがあります。逆に、夫婦が一緒にいても言葉のない家庭では、子どもはいつも緊張しています。
離婚という選択は、家庭の形を壊すことではなく、もう一度”安心できる家”をつくり直すことでもあるんです。
今は、家が子どもにとっての安全基地になっている。それが何よりも嬉しいことです。


子どもと自分が幸せになるためにできる3つの選択

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 我慢ではなく「選択」としての離婚を考える
  • 離婚後の生活を具体的に描く(仕事・住まい・支え)
  • 笑顔を取り戻す時間を、自分に許してあげる

「離婚=失敗」ではありません。むしろ”幸せを取り戻すための再スタート”です。この章では、母親と子どもが笑って過ごすためにできる現実的な選択をご紹介します。

我慢ではなく「選択」としての離婚を考える

離婚は逃げではなく、一つの「選択」です。我慢を続けることを強さと誤解してしまう人も多いですが、本当の強さとは、状況を冷静に見つめて決断できることです。
離婚を選ぶことで、自分と子どもに穏やかな時間を取り戻せるなら、それは立派な「愛のかたち」。離婚は終わりではなく、家族のかたちを見直す始まり。そう考えることで、罪悪感から少しずつ自由になれます。
私が離婚を決めたとき、周囲からは「もう少し頑張れば?」と言われました。でも、これ以上頑張ったら、私が壊れてしまう。そう感じたんです。
離婚は逃げじゃない。自分と子どもを守るための、勇気ある選択だと信じています。

離婚後の生活を具体的に描く(仕事・住まい・支え)

離婚を決めたあとに一番大切なのは、「どう生きるか」を現実的に描くことです。経済面・住まい・子育ての支え――どれも不安はありますが、一つずつ整理すれば道は見えます。
たとえば、仕事は今できることから再出発すれば十分。
住まいは子どもの安心と自分の心の落ち着きを両立できる場所を選びましょう。私は子どもの学校を変えたくなかったので、同じ学区内で引っ越しました。家賃は安くなりましたが、それでも子どもが安心できる環境を優先しました。
親や友人、行政の支援を頼ることも忘れずに。頼ることは弱さではなく、子どもを守る力です。
「一人で頑張らなきゃ」とつい母親は思いがち。でも、母子家庭の支援制度や、自治体の相談窓口など「頼っていいんだ」と思える場所は必ずあります。一人で抱え込まなくていいんです。

笑顔を取り戻す時間を、自分に許してあげる

離婚後の母親は「頑張らなきゃ」と気を張りすぎてしまいます。でも、ずっと張り詰めたままでは心が持ちません。少し立ち止まり、何もしない時間を持つことも大切です。
子どもと散歩したり、好きな音楽を聴いたり――その小さな笑顔が、子どもにとっての安心のサインになります。「幸せになることを自分に許す」――それが再出発の第一歩です。
私は離婚後、久しぶりに友人とランチに行きました。子どもを母に預けて、たった2時間だけ。でもその時間が、どれだけ心を軽くしてくれたか。
「自分の時間を持つことは、子どもを放置することじゃない」と気づきました。母親がリフレッシュすることで、子どもにも優しくなれる。それが大切なんだと思います。


母親が幸せでいることが、子どもの安心になる理由

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 子どもは”母親の感情”を敏感に感じ取っている
  • “お母さん楽しそう”が、最高の安全基地になる
  • 自分の人生を生きる姿は、子どもへの最大のギフト

母親が穏やかに笑っているだけで、子どもの心は不思議と落ち着きます。この章では、母親の幸せがなぜ子どもの安心につながるのかを3つの理由から見ていきましょう。

子どもは”母親の感情”を敏感に感じ取っている

子どもは言葉よりも先に、母親の表情や声のトーンから感情を読み取ります。だからこそ、母親が穏やかでいられる時間を持つことが大切です。
完璧でなくていい。「お母さん、今ちょっと疲れてるね」と気づける家庭は、信頼のある家庭です。
私は離婚してから子どもに「今日はちょっと疲れてるから、静かにしててくれる?」と素直に言えるようになりました。すると子どもは、「わかった。じゃあ本読んでるね」と言ってくれる。
完璧な母親じゃなくていい。弱音を言える関係こそ、本当の信頼なんだと思います。

“お母さん楽しそう”が、最高の安全基地になる

子どもにとって、母親の笑顔は心の羅針盤です。母親が楽しそうにしている姿を見るだけで、「自分は大丈夫だ」と思えます。
小さな喜びを大切にする姿勢が、子どもにとっての”安全基地”をつくります。
私は離婚後、小さなことに喜べるようになりました。美味しいコーヒーを飲めたこと、子どもと一緒に笑えたこと。次の週末は子供たちとどう過ごそう。そんな日常の幸せを感じられるようになったんです。
子どもも、そんな私を見て安心してくれている気がします。

自分の人生を生きる姿は、子どもへの最大のギフト

母親が自分の人生をしっかり歩む姿は、子どもにとっての教科書です。離婚を経て、自分らしい生き方を見つけようとする姿は、「人生は何度でもやり直せる」という希望を伝えます。
あなたが幸せを選ぶことこそ、子どもへの最大のギフトなんです。
私は子どもに、こう伝えたいと思っています。「お母さんは、自分が笑っていられる人生を選んだよ。あなたも、自分が幸せだと思える選択をしていいんだよ」と。
その姿勢こそが、子どもに残せる最大の財産だと信じています。


離婚を選ぶ前に確認しておきたい3つのこと

しかし、離婚は大きな決断です。勢いだけで決めるのではなく、冷静に状況を見つめることも大切。ここでは、離婚を決める前に確認しておきたい3つのポイントをお伝えします。

本当に修復の余地はないのか冷静に考える

離婚を考える前に、一度立ち止まって「本当に修復の余地はないのか」を考えてみることも必要です。夫婦カウンセリングや、第三者を交えた話し合いで、関係が改善する可能性もあります。
ただし、DVやモラハラがある場合は別です。自分と子どもの安全が最優先。その場合は、すぐに専門機関に相談してください。

離婚後の経済的な見通しを立てる

離婚後の生活で最も不安なのが、経済面。養育費、児童扶養手当、母子家庭の支援制度など、使える制度を事前に調べておきましょう。
仕事を始める場合は、保育園や学童保育の確保も必要です。具体的な生活費のシミュレーションをすることで、不安が少し和らぎます。

子どもへの説明をどうするか考えておく

離婚を子どもにどう伝えるかは、親にとって最も悩む部分。年齢に応じて、シンプルでやさしい言葉で伝えましょう。
「パパとママは一緒に住まないけど、あなたのことは変わらず大好きだよ」と、愛情を伝えることが何より大切です。


まとめ:母親が幸せでいることが、子どもを一番強くする

  • 「子どもがかわいそう」という言葉は、母親の罪悪感を刺激し、自分らしい選択を奪う
  • 我慢を続けるよりも、「選択」としての離婚を考えることが、親子の幸せを守る第一歩
  • 形よりも「安心して帰れる空気」が、子どもにとっての本当の幸せ
  • 母親の笑顔は、子どもに安心と自信を与える
  • 母親が自分の人生を生きる姿が、子どもへの最高のギフト

「子どもがかわいそう」と言われたとき、一度立ち止まって考えてみてください。本当に”かわいそう”なのは、笑顔を失っているお母さんではないですか?
子どもは、母親が幸せであることを何より望んでいます。今日から少しずつ、「笑顔でいよう」と思える時間を取り戻していきましょう。
あなたが幸せを選ぶことは、決してわがままではありません。それは、子どもに「幸せになっていいんだよ」と伝える、最高の教育なんです。


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