本記事では子どもの好き嫌いをなくすことは大切ですが、それよりも「食べることは楽しいこと」だと子供に分かってもらい、食生活アドバイザーの資格を持つ私が食育の面から好き嫌いを克服する方法を紹介します。
子どもの好き嫌いはワガママだとか親の育て方が悪いことでもありません。自分を責めずに気楽に子育てしてください。
好き嫌いと偏食の違い
「好き嫌い」は、その食材を食べなくてもほかの食材で栄養が代替できるもの、「偏食」はこれしか食べない、と限られた食材しか食べないこと。その場合、栄養素として足らないものがある場合も多いですが、無理に食べさせるのは逆効果。食べてみようかなとトライする気持ちになるまで諦めずに出し続け、周りの大人たちは食べることの楽しさを伝えるように心がけて。
味蕾(みらい)とは
味蕾ということばを聞いたことがありますか?味の蕾(つぼみ)とかいて味蕾。味蕾というのは、舌にある「甘味、塩味、酸味、苦味、うま味」を感じるところ。成人では約7,000個、高齢者になると約3,000個の味蕾があるといわれていますが、なんと赤ちゃんのお口の中には約10,000個の味蕾が存在するといわれています。一見、赤ちゃんの味覚のほうが鈍いと思いがちですが赤ちゃんのほうがたくさんあって味覚を鋭く感じるようにできています。なので、初めての味にはびっくりして脳が拒否してしまい「これ嫌い」となることも。特に「苦い」に関しては異物と脳が受け取るため拒否反応が激しいといわれています。
わが子が二人お世話になった保育園は園長先生が非常に熱い思いを持って開園された保育園でした。その思いの中でも特に「食事」への思いは人一倍。食育の大切さを保護者の私達に時折話され保育園の中でも食事の大切さを大事にする時間をたくさん設けていただきました。よく言われたのは「味蕾を発達させてください。」ということ。たくさんの味を味わわないと味蕾が発達しないということでした。そして「甘味、塩味、酸味、苦味、うま味」や「固い、やわらかい」などの食感。「よくかむ」ということ。の大切さを話されていました。一度、子どもがたべなくてもまた味付けをかえたり調理法をかえたりして食材に慣れるとあるとき突然食べることもあります。
食卓には違った味付けのもの、食感があるものを意識して出したいです。
【食育】好き嫌いの克服に向けて嫌いな食材を食べてみようと思う具体的な5つの方法
調理法を工夫したり小さく小さく切ってハンバーグに混ぜたり、それで食べるようになれば次は形が残っていても素材の味が残っていても自分の意志でたべるようになってほしいですね。今まで、拒否し続けていた食材を食べようと思う5つのきっかけを紹介します
家庭菜園
好き嫌いをなくすのに家庭菜園がいいとはよくいわれています。自分で育てた野菜、果物などから達成感や満足感から好き嫌いがなくなるとも。カイワレ大根やきゅうり、いちご、などは比較的失敗しにくく育ちます。水やりやどれくらいおおきくなったか観察当番にしたりすることで、少しづつ苦手な野菜との距離を縮めるのも食べてみよう!と思うきっかけになります。
体験型イベントに参加
なんでもかんでも家庭菜園というのも大変な話。体験型イベントなどを活用して食育に生かすのもいいです。
春にはいちご狩り、夏には釣りと魚とり、秋にはいもほりなど。
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パン作りから豆腐づくりなど。私も参加したいイベントがたくさんあります!
こういうイベントってお土産もある場合も多く、大量のさつまいもを「どうやって食べようか」など親子で一緒に作るきっかけにもなり会話がひろがっていくのがいいですね。
同じ食材でもたくさん調理法があるというのも、食べてみようと思うかもしれません。
専用のマイ包丁を用意する
保育園ではよく給食やおやつを自分たちで作る時間を大切にしていただきました。確か5歳の誕生日会では子ども用包丁がプレゼントだったかな。まな板は開いた牛乳パックで。
自分たちで作った野菜を自分たちで切る。混ぜる、焼くなどの体験がとても「食」に興味を持つことに。苦手なピーマンや人参だったら食べるきっかけになるかもしれません。
大皿には載せない
一人ひとりお皿に分けて食事するのはとても効果的。大皿だと嫌いなものより好きなものをたべがち。極端にいうとあまり食べなくてもばれないから。親御さんは洗い物がふえて、手間も増えますが、どれくらい食べて、いつもより食欲が多いや少ないなど把握するのを知るいいきっかけとなります。
食べないからと出すのをやめない
どうせ食べないからと食卓にだすことをやめてしまったら、ずっとその食材に苦手意識を持ち続けてしまいます。どうせ食べなくても少しでもお皿に乗せることをやめないでください。
我が家の娘はあまり好きではなかったパンもなぜかベーカリーでアルバイトをすることになり大好きになりました。よくわからないものです。
まとめ
「個食」(家族がそれぞれ食べたいものをたべること、テイクアウトなど)と「弧食」(一人で食事をとること)などが増え、家族みんなで食事を楽しむことが少なくなってきたと言われてます。大人になってもたわいない話をしながら食べる食事はやはり楽しい。子どもが成長するとそれぞれ塾や予定で揃わないことも多くなり、テレビを消して会話と食事を楽しむのはとても贅沢な時間だったなと思います。せっかくの時間なので、きらいなものを「食べなさい」とうるさくいうのは食べることさえ楽しいとも思えなくなることにも繋がります。まずは楽しく。そして少しでも嫌いなものを食べたことにトライしたことを褒めてください。
食べることは楽しいこと。生きることに大切なこと。自分の体は食べたものでできていること。小さい時からこのことを伝え続けると、特定の食材が食べることができなくても、極端な偏食であったり朝ごはんを抜いたり、不摂生をしたり。親元から独立してからも「食べること」を祖末に考える子供にならないと信じています。
大人になって好きな人や友達が「これおいしいよね」といった一言でトライしようとしてみたり、なにかがきっかけにで食べることができるようになることも多いもの。好き嫌いはわがままでも親のしつけが悪いことでもありません。気長にいきましょう。