【保存版】クール便の送り方と梱包方法|ヤマト・佐川・日本郵便の違いまで徹底比較

食とくらし

【保存版】クール便の送り方と梱包方法|ヤマト・佐川・日本郵便の違いまで徹底比較

仕事や進学で離れて暮らす家族に、「手作りのごはんを届けたい」と思うことはありませんか。
冷蔵・冷凍食品を安全に届けるための「クール便」は、そんな気持ちを支えてくれる便利なサービスです。
今回は、クール便の仕組みから梱包方法、主要3社の違いまで、わかりやすくまとめました。


クール便の仕組みで変わる3つのポイント

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 冷蔵・冷凍の違いを理解しよう

  • クール便で送れるもの・送れないもの

  • 季節ごとの注意点(夏・冬の温度管理)

クール便には「冷蔵」と「冷凍」の2種類があります。
温度帯を間違えると品質を損なうため、まずはそれぞれの違いと、
どんな食品を送るときに向いているのかを知っておきましょう。

冷蔵・冷凍の違いを理解しよう

冷蔵は5℃前後、冷凍は−15℃以下で保たれるのが一般的です。
煮物やおかずなどは冷蔵、アイスや生鮮品は冷凍を選びましょう。
「どちらにすればいいかわからない」ときは、溶けたり腐りやすいかどうかを目安に判断します。

クール便で送れるもの・送れないもの

クール便では、生鮮食品・総菜・チョコレートなどが送れます。
ただし、液体が多い汁物・未包装の生肉・ドライアイス入りの容器などは不可です。
また、アルコールやスプレー缶などの危険物も対象外なので注意しましょう。

季節ごとの注意点(夏・冬の温度管理)

夏は外気温が高く、ドライアイスや保冷剤を多めに使うのが安心です。
冬は凍結しすぎることで風味を損なうことがあるため、保冷剤を減らすなど調整を。
送り先の気候も考慮して準備するのがポイントです。


クール便の送り方を5ステップで解説

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • ① まず温度帯を選ぶ(冷蔵 or 冷凍)

  • ② 箱を選ぶ(発泡スチロール or 防水ダンボール)

  • ③ 保冷剤・緩衝材の入れ方

  • ④ 「冷蔵/冷凍」ラベルの貼り方

  • ⑤ 集荷・持ち込み・支払いまでの流れ

食品を安全に届けるには、温度・箱・梱包・配送の流れを順に確認することが大切です。
慣れないうちは「思っていたよりも準備がいる」と感じるかもしれませんが、
一度覚えればスムーズに送れるようになります。

① まず温度帯を選ぶ(冷蔵 or 冷凍)

食品の種類に合わせて冷蔵・冷凍を選びます。
煮物・ハンバーグ・和総菜などは冷蔵、
スープ・肉類・ごはん類は冷凍が向いています。
特に手作りごはんを送る場合は、再冷凍を避けるため、調理後すぐに冷凍保存しましょう。

② 箱を選ぶ(発泡スチロール or 防水ダンボール)

クール便では温度を保つ箱が必要ですが、
ヤマト運輸のクール宅急便は“冷気を箱の外から吹き込む方式”を採用しています。
そのため、発泡スチロールのように密閉性が高い箱では冷気が内部まで届きにくく、
冷却効率が下がってしまうことがあります。

ヤマトでは、中身をしっかり凍らせた状態で、通常の段ボール箱に隙間なく詰めればOK。
スーパーの食品売り場などに置かれている空き箱を使っても問題ありません。
サイズが合わない場合は、営業所やコンビニで購入できる専用クール宅急便箱もあります。

一方、佐川急便や日本郵便(チルドゆうパック)は「箱の中に冷気を循環させる方式」です。
そのため、発泡スチロール箱や保冷バッグの使用が一般的で、
郵便局では専用のチルド箱や保冷袋も販売されています。

配送業者によって「冷やし方」の仕組みが異なるため、
自分が利用する会社に合わせて、最適な箱を選ぶことが大切です。

③ 保冷剤・緩衝材の入れ方

食品は隙間がないように詰め、保冷剤を上に置きます。
隙間があると冷気が逃げやすく、食品の温度ムラが生じるため注意。
冷凍の場合は、ドライアイスを入れすぎると中身が割れることもあるので、
適量を心がけましょう。

④ 「冷蔵/冷凍」ラベルの貼り方

宅配伝票の横に「クール冷蔵」「クール冷凍」のラベルを貼ります。
貼り忘れると通常便で扱われてしまうため、必ずチェックを。
また、箱の側面に「この面を上に」「取扱注意」といったシールも添えると安心です。

⑤ 集荷・持ち込み・支払いまでの流れ

クール便は自宅集荷と店頭持ち込みのどちらも利用できます。
スマホやPCから集荷依頼をすれば、自宅まで取りに来てくれるので忙しい人にも便利です。

支払い方法は業者によって異なります。

  • ヤマト運輸:現金またはPayPayのみ(ドライバー集荷時はクレジットカード不可)

  • 佐川急便:現金・クレジットカード・QR決済に対応(営業所によって異なる)

  • 日本郵便:窓口での現金払いが中心(チルドゆうパックは冷蔵のみ対応)

支払い方法を事前に確認しておくと、当日スムーズに手続きできます。
送り状の控えは必ず保管し、配送状況はネットで確認しておきましょう。

また、問い合わせ番号(追跡番号)は贈る相手にも伝えておくのが親切です。
予定変更があった場合でも、その番号から受け取り日時を変更できるため、
「冷凍品が届くのに不在だった…」というトラブルを防げます。

こうした小さな配慮が、荷物を“ただの荷物”ではなく、
相手の暮らしを思うやさしい贈り物に変えてくれます。


各社のクール便サービスを比較してわかる3つの違い

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • ヤマト運輸「クール宅急便」|冷蔵・冷凍の2温度帯

  • 佐川急便「飛脚クール便」|重さとサイズに強い

  • 日本郵便「チルドゆうパック」|冷蔵専門・全国網広め

  • 料金・対応エリア・温度帯を一覧比較

主要3社はいずれも冷蔵・冷凍の輸送に対応していますが、
扱える温度帯やエリア、料金体系には違いがあります。
とくに個人利用の場合は、手続きのしやすさや支払い方法の柔軟さがポイントになります。

ヤマト運輸「クール宅急便」|冷蔵・冷凍の2温度帯

ヤマトは最も利用者が多い宅配サービスで、冷蔵(0〜10℃)と冷凍(−15℃以下)の2種類に対応しています。
全国どこでも配送でき、専用資材や保冷ボックスも豊富。
個人でもスマホで簡単に集荷予約ができる手軽さが魅力です。

ただし、集荷時の支払いはPayPayまたは現金のみ
ドライバー端末でのクレジットカード決済は使えません。
持ち込みの営業所でもクレジットカード不可の場合があるので注意です。

佐川急便「飛脚クール便」|重さとサイズに強い

佐川は業務用利用が多く、サイズや重量制限がゆるいのが特徴です。
冷蔵・冷凍ともに全国対応(離島など一部地域を除く)で、
一度に多くの食品やギフトをまとめて送りたいときに便利。

支払いは現金・クレジットカード・QR決済など幅広く対応しており、
営業所によっては法人契約なしでも利用可能です。
ただし、細かな温度管理や冷凍品の繊細な扱いはヤマトに一歩譲ります。

日本郵便「チルドゆうパック」|冷蔵専門・全国網広め

日本郵便の「チルドゆうパック」は冷蔵専用(0〜10℃)で、冷凍には対応していません。
郵便ネットワークを活かして離島や山間部などにも広く対応
しているのが特徴です。
料金はサイズ・距離で決まるため、近距離なら比較的リーズナブル。

郵便局窓口での発送が基本となり、支払いは現金中心です。
オンライン決済やスマホアプリ対応は限定的なため、
デジタル手続きに慣れていない方にも使いやすいサービスといえます。

料金・対応エリア・温度帯を一覧比較

会社名 対応温度帯 支払い方法 特徴 個人利用おすすめ度
ヤマト運輸 冷蔵・冷凍 現金/PayPay サービス品質が安定、全国対応 ★★★★★
佐川急便 冷蔵・冷凍 現金/クレカ/QR サイズ制限ゆるく業務向けも可 ★★★★☆
日本郵便 冷蔵のみ 現金中心 離島・地方も対応範囲広い ★★★☆☆

冷凍ごはん・おかずを送るならどこが向いてる?

一人暮らしの子どもへ「冷凍おかず」を送りたいなら、
ヤマトのクール宅急便(冷凍タイプ)が最も安心です。
配送スピードが速く、再配達の案内も細かいため、
「受け取れなかったらどうしよう」という不安も少なく済みます。

佐川はまとめて送りたいとき、郵便局は冷蔵スイーツなどを近距離で送りたいときに向いています。
状況や相手の生活スタイルに合わせて選びましょう。


クール便を安全に届けるための3つのコツ

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 受け取り日時の指定と連絡のコツ

  • 再配達・保管期間を把握しておく

  • トラブルを防ぐ梱包チェックリスト

せっかく丁寧に準備した荷物も、受け取るタイミングを誤ると品質が落ちてしまいます。
冷蔵・冷凍便は“鮮度が命”。送り手と受け取り手の思いやりが、
お互いの安心につながります。

受け取り日時の指定と連絡のコツ

クール便を送るときは、受け取り可能な日時を事前に確認することが何より大切です。
一人暮らしの子どもや離れて暮らす家族は、不在が多くなりがち。
相手の生活リズムに合わせて「この日の夕方なら受け取れる?」と軽く聞いておくだけで、
配送トラブルをぐっと減らせます。

また、送り状の控えに記載される問い合わせ番号(追跡番号)を共有しておけば、
相手側で日時の変更もできます。
思いやりのある一言と小さな準備が、食品をいちばん良い状態で届けてくれます。

再配達・保管期間を把握しておく

クール便は、通常の宅配便に比べて保管期間が短いのが特徴です。
ヤマト・佐川・郵便局いずれも、再配達は2〜3日以内が基本。
期間を過ぎると自動的に返品扱いになることもあります。

「届いたけど仕事で受け取れなかった」とならないよう、
送り手は受け取り予定日を相手に伝え、
相手は不在票が届いたらすぐ再配達を申し込むのが鉄則です。
冷凍食品は特に、再配達を繰り返すと品質が落ちやすいので注意しましょう。

トラブルを防ぐ梱包チェックリスト

梱包時のひと工夫で、配送中のトラブルを防げます。
以下のポイントを出発前に見直しておきましょう。

✅ クール便 梱包チェックリスト

  • 発泡スチロール箱などの保冷性のある箱を使用

  • 汁漏れ防止にジップ袋やラップで二重包み

  • 隙間には新聞紙や緩衝材を詰めて固定

  • 「冷凍」「取扱注意」などのラベルを貼付

  • 受け取り日時・問い合わせ番号を相手に伝達

これらを整えておけば、たとえ距離が離れていても、
「安心して受け取れる」と感じてもらえるはずです。


親から子へ「食を届ける」やさしい使い方

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 「ちゃんと食べてるかな?」の気持ちを形にする

  • 手作りおかずを送るときの衛生・保存の工夫

  • 家族が離れて暮らす今こそ、“食”でつながる

遠く離れた場所で暮らすわが子や家族に、
「元気でやってるかな」「ちゃんと食べてるかな」と思う瞬間があります。
そんなときにクール便は、“心配”を“行動”に変えてくれる存在です。

「ちゃんと食べてるかな?」の気持ちを形にする

慣れない土地での暮らしは、食事が後回しになりがちです。
コンビニのお弁当ばかりという話を聞いて、胸がきゅっとしたことのある親御さんも多いでしょう。
そんなとき、冷凍便で煮物やおかずを少しだけ送る――
それだけで、子どもは「見守られている」と感じるものです。

食べることは、心と体を支える一番の基本。
手作りのごはんは、離れていても「大丈夫」と伝える小さなメッセージです。

手作りおかずを送るときの衛生・保存の工夫

おかずを送るときは、味つけを少し濃いめにし、
汁気を減らして冷凍保存するのがコツです。
肉じゃがのようにじゃがいもが崩れやすい料理は避け、
筑前煮やきんぴらなど、再加熱しても食感が変わりにくいものを選びましょう。

できたてを冷ましてから個包装し、ラベルに日付を書いておくと安心です。
温めるだけで食べられる一品が冷凍庫にあること――
それが、暮らしの小さな支えになります。

家族が離れて暮らす今こそ、“食”でつながる

食べることは「生きる力を渡すこと」。
忙しくても、疲れていても、温かいごはんが人を元気にします。
クール便を通じて届けるのは、料理だけではなく、
「今日もちゃんと生きてるよ」というやさしいメッセージかもしれません。

離れていても、食でつながる。
それが、現代の“仕送り”のかたちです。