【2026年版】セルフメディケーション税制とは?対象市販薬・12,000円控除・申請方法をやさしく解説

食とくらし

【2026年版】セルフメディケーション税制とは?対象市販薬・12,000円控除・申請方法をやさしく解説

ドラッグストアでもらったレシートに、小さな★マークが付いているのを見たことはありませんか?

実はそれ、セルフメディケーション税制の対象商品のサインかもしれません。この制度を使えば、対象の市販薬を年間12,000円以上購入した場合、確定申告で税金の控除を受けられます。

ただし、「どの薬が対象なのか」が分かりにくく、制度を使えていない人がとても多いのが現状です。

知らないと損をするポイント:

  • 同じ胃薬でも対象・対象外がある
  • レシートの★マークで簡単に判別できる
  • 家族分も合算できる

この記事では、難しい説明を省いて、今日からできる実践的なポイントだけをまとめました。


セルフメディケーション税制で知っておきたい3つの基本

1. 医療費控除との違いを理解する

項目 医療費控除 セルフメディケーション税制
必要金額 年間10万円以上 年間12,000円以上
対象 医療費全般 特定の市販薬のみ
併用 どちらか一方のみ選択可能

セルフメディケーション税制は、高額医療費がない家庭でも利用できる「市販薬版の小さな医療費控除」です。

2. 対象になる人・ならない人

対象になる条件:
その年に「健康の保持増進および疾病の予防に関する取り組み」を行っていること

具体的な取り組み例:

  • 会社の健康診断
  • がん検診
  • 人間ドック
  • 予防接種(インフルエンザなど)

年に1回、会社の健康診断を受けている人であれば、ほぼ対象になります。確定申告の際に「セルフメディケーション税制を利用する」欄にチェックを入れるだけでOKです。

3. 年間12,000円を超えた分が控除になる

計算例:

年間購入額:15,000円
控除対象額:15,000円 − 12,000円 = 3,000円

控除額の上限は年間88,000円(購入額10万円)です。実際の節税額は所得税率によって変わりますが、所得税率10%の場合、3,000円の控除で約300円の節税になります。


対象商品を「ラクに」見分ける2つの方法

方法1:パッケージの対象マークを見る

対象商品のパッケージには、以下のような表示があります:

  • 「セルフメディケーション税制対象」
  • 「セルフメディケーション税 控除対象」
  • 専用の識別マーク

パッケージの端や裏面に小さく表示されていることが多いので、購入前にチェックしましょう。

方法2:レシートの記号で判断する

購入後のレシートに以下の記載がある場合、対象商品のサインです:

  • ★マーク
  • 「対象」の文字
  • 「OTC」の表示
  • 「SM」(Self Medicationの略)

レシートの見方例:

胃腸薬A ★ 1,500円
鎮痛剤B   1,200円
ビタミンC  800円
─────────────────
★=セルフメディケーション税制対象

店舗によって表示方法は異なりますが、多くのドラッグストアで何らかの目印をつけています。


節税効果を最大化する3つのコツ

コツ1:12月にまとめ買いを検討する

年末に購入額を調整することで、その年の控除額を増やせます。

例:

  • 11月時点で対象商品の購入額が10,000円
  • 年内に常備薬を3,000円分購入
  • → 合計13,000円で1,000円が控除対象に

どのみち使う薬なら、年内にまとめて購入するのも一つの方法です。

コツ2:家族分も合算する

生計を一にする家族の分も合算できます。

合算例:

  • 本人:花粉症の薬 5,000円
  • 配偶者:頭痛薬 4,000円
  • 子ども:解熱剤 3,500円
  • 合計:12,500円 → 500円が控除対象

1人分では届かなくても、家族分を合算すると12,000円を超えることがよくあります。

コツ3:ネット購入も活用する

Amazon、楽天市場などのオンラインショップでの購入も対象になります。

確認ポイント:

  • 商品説明に「セルフメディケーション税制対象」の記載があるか
  • 購入履歴や明細に対象商品であることが明記されているか
  • 明細書をPDFやスクリーンショットで保存しておく

確定申告の手続きを「最低限」で済ませる方法

必要な書類はたった2つ

  1. 対象市販薬のレシートまたは明細書
    • 購入した市販薬の名称
    • 金額
    • セルフメディケーション税制対象であることを示す記号
  2. 健康診断などの取り組みを証明するもの
    • 健康診断の結果通知書
    • 予防接種の領収書など

レシート保管のコツ

  • 月ごとに封筒やクリアファイルで分ける
  • ドラッグストア別に整理する
  • 対象商品の★マークをマーカーで印をつける
  • スマホで写真を撮っておく(念のため)

スマホで完結できる

e-Taxを使えば、自宅から申請できます。

必要なもの:

  • スマートフォン
  • マイナンバーカード
  • e-Taxアプリ(またはパソコン)

医療費控除と比べて入力項目がシンプルなので、初めてでも30分程度で申請できます。


対象外の商品で「損しない」判断ポイント

基本的に対象外のもの

以下は対象外なので注意:

  • サプリメント
  • 健康食品
  • 一般的な栄養ドリンク
  • ビタミン剤(医薬品でないもの)
  • 湿布(一部の商品は対象)

同じカテゴリでも商品によって異なる

注意が必要なケース:

胃腸薬

  • ガスター10 → 対象
  • キャベジン → 対象外

鎮痛剤

  • ロキソニンS → 対象
  • バファリンA → 対象

カテゴリだけで判断せず、必ずパッケージやレシートで確認しましょう。

迷ったときは店員に聞く

ドラッグストアの薬剤師や店員に、以下のように尋ねるのも効果的です:

「セルフメディケーション税制の対象になっている薬はどれですか?」
「この薬は対象になりますか?」

多くの店舗で対応してくれます。


よくある失敗例と対策

失敗例1:対象外の商品ばかり買っていた

ケース:
「胃腸薬なら全部対象だと思ってキャベジンを買い続けていたが、実は対象外だった」

対策:
初回購入時にレシートで必ず確認する習慣をつける。★マークがついていなければ、次回から対象商品に切り替える。

失敗例2:レシートを捨ててしまった

ケース:
「年末に計算しようとしたら、レシートがほとんど残っていなかった」

対策:

  • 薬を買ったらその場でレシート確認
  • 専用の封筒を用意してすぐに保管
  • スマホで写真を撮っておく

失敗例3:家族分を合算し忘れた

ケース:
「自分の分だけでは11,000円で届かなかったが、妻の分も合算すれば15,000円だった」

対策:
年末に家族全員分のレシートを集めて再計算する。


申請漏れをゼロにする年末チェックリスト

12月中旬にやること

  • その年(1月1日〜12月31日)のレシートを集める
  • ★マークや「対象」の記載がある商品だけを抜き出す
  • 購入額を合計する
  • 家族分のレシートも忘れずにチェック

合計額が10,000円以上なら

  • 年内に使う予定の常備薬を確認
  • 対象商品を追加購入するか検討
  • 12,000円を超えるように調整

翌年2月〜3月(確定申告期間)

  • 健康診断の結果通知書を用意
  • e-Taxまたは税務署で申告
  • レシートは5年間保管

まとめ:今日からできる3つのアクション

セルフメディケーション税制は、仕組みはシンプルです。

制度のポイント:

  • 対象市販薬を年間12,000円以上購入すれば控除対象
  • パッケージやレシートの★マークで判別できる
  • 家族分も合算OK
  • サプリなどは対象外

今日からできること:

  1. 今すぐ → 手元のレシートを確認(★マークを探す)
  2. 今月中 → 過去1年分のレシートを集めて合計額を計算
  3. 年末まで → 対象商品を意識して購入、レシートを保管

「知らなかったから、何もしてこなかった」という人ほど、まだまだチャンスがあります。まずは、捨ててしまいそうなレシートをもう一度見直してみることから始めてみてください。


参考リンク:

※制度の詳細や最新情報は、必ず公式サイトでご確認ください。

 


にほんのくらし🌿をもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。