「彼氏ができても、予定が合わなくて申し訳ない」
「お互いに両思いなのは分かっているけれど、いざとなると付き合えないと感じてしまう」
「恋愛したい気持ちはあるけれど、子どもに悪影響がないか不安で踏み出せない」
シングルマザーの恋愛には、独身時代とはまったく違う難しさがあります。「シンママの恋愛は難しい」と多くの人が口にするのは、単に物理的な時間がないからだけではありません。母親としての責任感と、一人の女性としての感情の間で激しく揺れ動く「気持ち」そのものが、独身時代とは決定的に異なっているからです。
もし今あなたが恋愛に対して「しんどさ」や「迷い」を感じているなら、それはあなたが母親として葛藤している証拠であり、今は無理に踏み出すタイミングではないのかもしれません。
この記事では、私自身の経験をもとに、シングルマザーの恋愛がうまくいくと思えなかった理由と、子どもの平穏を守るために私が守り抜いた「譲れない一線」を詳しく解説します。
恋愛を勧めたいわけでも、否定したいわけでもありません。ただ、私自身は「うまくいく未来」がどうしても見えませんでした。その実感を、正直に書いていこうと思います。
1. 両思いでも、振り切って帰らなければならない現実
好きな人と両思いになれた瞬間は、誰だって舞い上がり、未来が明るく見えるものです。
付き合い始め、多くの男性はこう言います。
「子ども優先でいいよ」
「無理しないで、会える時だけで大丈夫だから」
「君の負担になりたくない、理解しているつもりだよ」
その言葉に嘘はなかったと思います。少なくとも、言った瞬間は本気だったはずです。
でも、関係が深まっていくと、私自身が一番苦しくなる瞬間がありました。それは、相手が悪いとか、期待を裏切られたとかいう話ではなく、どんなに気持ちが一緒にいたくても、そのままいるわけにはいかず、振り切って帰らなければならない時間でした。
「もう少しだけ一緒にいたい」
そう思っているのは、たぶん私も相手も同じでした。
だからこそ、余計につらかったんです。
相手の気持ちもわかるから、「もっと一緒にいたい」という顔をされると、こちらの胸も締めつけられます。でも、子どもが家で待っている。明日の朝も、いつも通りの生活がある。だから帰る。
この繰り返しの中で、私は何度も懐疑的になりました。
「この関係、この先どうなるんだろう」
「両思いなのに、なんでこんなに苦しいんだろう」
好きという気持ちだけでは埋まらない現実が、確かにそこにありました。
付き合いが長くなると見えてくるズレ
関係が続くにつれて、少しずつ本音のズレが見え隠れすることもありました。
「今から少しだけでも会えない?」と、こちらの都合が見えにくくなる瞬間があったり、
子どもの体調不良でデートが流れた時、相手が寂しさを隠しきれない様子を見せたり。
これは、相手が「悪い人」だったからではないと、今は思っています。むしろ、相手なりに本気で向き合おうとしてくれていたからこそ、ぶつかる瞬間があったんだと思います。
ただ、私の生活は、独身時代の恋愛のテンポとはどうしても噛み合いませんでした。そして、噛み合わせようと無理をすればするほど、私の心と、いちばん大切な家庭の土台が揺らいでいくのを感じていました。

2. 子どもが大きくなるほど「母親の安定」が必要になる理由
「子どもが大きくなって手がかからなくなったから、もう自由に恋愛してもいいよね?」
周囲からもそんな風に言われるかもしれません。しかし、実際には「手は離れるのに、目は離せない」時期こそが、シンママの恋愛における本当の正念場だと感じています。
思春期の子どもは「母親の変化」に極めて敏感
子どもが中学生、高校生と成長するにつれ、悩みはより複雑で内面的なものになります。
- 学校内での友人関係や、SNSでのトラブル
- 進路選択のプレッシャーや、自己肯定感の揺れ
- 将来に対する漠然とした不安
この時期、子どもは言葉に出さずとも、母親のささいな変化を驚くほど敏感に察知しています。いつもより帰宅が遅くなる。スマホを見る時間が明らかに増える。服装やメイクが急に変わる。そして何より、家の空気がどこか「母親の個人的な感情」で浮ついている……。
小さい頃は、正直、物理的に手がかかることがほとんどでした。ご飯、着替え、送り迎え。体力さえあれば、なんとか回っていく時期です。
でも、成長期に入ってからは違います。ここで目をかけそこなうと、本当に取り返しがつかなくなる。これは私の中で、今も変わらない実感です。
母親の心が恋愛のことでいっぱいになり、意識がそちらに向いている時、子どもは心の中で「自分は二の次なんだ」と孤立を深めてしまうことがあります。この時期の子どもにとって、家は「何があっても揺るがない、絶対的な安心の場所」であってほしいと、私は思っていました。
3. 「子どもに会わせればデートできる」という誘惑の怖さ
恋愛を否定したいわけではありません。ただ、子どもを巻き込む段階には、慎重すぎるくらいでちょうどいいと私は考えています。
「子どもと一緒に会えば、デートの時間も確保できるし、彼と子どもが仲良くなってくれれば一石二鳥」
恋愛にのめり込み始めると、ついそんな風に「自分に都合の良い解決策」を考えたくなる瞬間もありました。しかし、私は以下の理由から、安易に子どもと彼を会わせる気には到底なれませんでした。
別れた時のリスクを誰が背負うのか
もし彼と別れることになったら、子どもにとっては「また一人の信頼していた大人がいなくなる」という喪失体験になります。シンママの恋愛が難しいのは、自分一人だけの問題ではなく、こうした「子どもの人間関係」まで無意識に背負わせてしまう可能性があるからです。大人の都合で、子どもの平穏な日常をかき乱し、心に傷跡を残すリスクを、どれだけ想像できているだろうかと、私は自分に問い続けていました。
一生懸命に生きる子どもの前で、胸を張れるか
これが私の中で、いちばん大きな理由でした。
毎日、部活や勉学に必死に打ち込み、泥だらけになったり汗を流したりしている子どもの姿。その横で、自分は恋愛に気持ちを持っていかれている……。そんな自分を、子どもに見せたくなかったのです。
親が自分の恋愛に夢中になっている空気は、子どもの安心感を音もなく削いでしまうことがあります。「お母さんは、自分の恋よりも僕(私)の頑張りを一番に見てくれている」という信頼。その信頼を、たかだか数時間のデートや、一時の高揚感のために揺らがせたくなかった。子どもの成長を、できる限りまっすぐな目で見守りたかった。それが、私にとっての母親としての軸でした。
4. 後悔しないために、自分に問い続けたこと
好きな人と両思いになり、舞い上がりそうな自分に気づいたら、私は一度立ち止まって、以下のようなことを自分に問いかけていました。これは誰かを試すためのチェックリストというより、自分と子どもの今の状態を確認するための物差しでした。
- 「最初は優しかった彼」への期待だけで、今の小さな違和感を見ないふりをしていないか
- 子どもの生活リズムを、少しでも犠牲にしていないか。寝かしつけ後の長電話や、無理な外出で生じた翌朝の疲れを、無意識に子どもにぶつけていないか
- 「彼がいなくても、私は自分の生活に満足できている」と言えるか。それとも、彼に精神的な支柱を求めすぎていないか
- 「今は踏み込めない」という自分の直感を、無理に押し殺していないか
正直に言うと、私はこの問いに向き合うたびに、「今はまだ難しい」という答えにたどり着くことが多かったです。それは、相手が悪かったからではなく、今の自分の状況では、恋愛と子育てを同時に大事にする自信が持てなかったからです。

5. 結論:私はこの選択に後悔していない
シングルマザーの恋愛において、無理な「両立」や「努力」が、誰にとっても正解だとは思いません。
私は、いくつかの恋愛のチャンスや出会いを経て、最終的に「今は恋愛をしない」という選択をしました。世間からは「もっと自分を大事にしたら?」と言われることもありましたが、「子どもの成長をぬかりなく見守り、今の頑張りを一番近くで応援したい」という自分の軸に従った結果、後悔は1ミリもありません。
うまくいく未来が見えなかった、というのが正直な実感です。両思いだったはずの関係でも、気持ちを振り切って帰る夜が何度もあって、そのたびに「これでいいのか」と落ち込むこともありました。それでも、「子どもの平穏を何よりも優先して守り抜いた」という事実が、私を母親として、人として一番深く満たしてくれています。
これは、恋愛をしている人や、恋愛と子育てを両立させている人を否定する話ではありません。人によって、状況によって、答えは違うはずです。ただ、私の場合はこうだった、という一つの実感として、誰かの参考になればと思っています。
恋愛は人生を豊かにするスパイスかもしれませんが、私にとっては「主食」ではありませんでした。
恋愛をしてもいい。しなくてもいい。
大切なのは、「私と子どもが、今この瞬間、一番落ち着いて笑っていられる形」を守ること。
それを選べたなら、それがあなたの、誰にも恥じることのない「正解」です。
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